一般的な弁護士費用の考え方
一般的に、弁護士費用は着手金・実費・報酬金の3種類が発生します。
- 着手金
案件への着手時にお支払いいただく費用です。
案件の種類、請求する(又は請求された)金額、予想される弁護士の労力などによって決まり、多くの場合、具体的な金額を委任契約書に記載します。 - 実 費
裁判所へ納める印紙代・郵便切手代、弁護士が遠方の裁判所へ出頭する際の交通費、資料を取り寄せるため取り寄せ先へ支払う費用など、案件を処理するため、現実に要する費用です。
必要に応じて発生するため、その都度、お支払をお願いすることになります。 - 報酬金
案件の終了時にお支払いいただく費用です。
案件の成果、解決に要した弁護士の労力などによって決まります。ご依頼を受ける時点では、具体的な金額を決めることが難しいため、多くの場合、算定方法や見込額を委任契約書に記載します。
遺産分割の弁護士費用
弊所が遺産分割事件の依頼を受ける場合の標準的な弁護士費用です。
但し、事案の難易・付随する手続の有無・依頼者の経済状況等に応じて調整を行う場合がありますので、具体的な金額は、弁護士に直接ご相談下さい。
- 着手金
取得見込額300万円未満:22万円(税込)
取得見込額300万円以上:33万円(税込) - 実 費
原則として、着手金に含みます。 - 報酬金
取得額300万円未満:取得額の16%+税
取得額300万円以上:取得額の15%+税
算定例1
母が亡くなり、遺産は600万円ほど、相続人は兄弟3人(父は母よりも前に亡くなり、そのときは母が全ての遺産を相続した。)、普通に分ければ1人あたり200万円はもらえるはずなのに、長男が遺産を全てもらう、他の兄弟は判子代の10~20万円程度で我慢すべきと言い張り、話し合いができなかった。弁護士に依頼し、遺産分割調停を申立てた結果、話し合いがまとまり、200万円の遺産を得ることができた事案
- 着手金
取得見込額は300万円未満なので、着手金は22万円(税込)となります。 - 報酬金
実際に200万円を取得できたため、報酬金は取得額の16%+税、35万2000円となります。
弁護士に依頼して遺産分割調停を申立てたことにより、142万8000円(200万円-(22万円+35万2000円))の利益を得られた事案になります。
算定例2
父が亡くなり、遺産は2400万円ほど、相続人は兄弟2人(母は相続人が子どもの頃に父と離婚し、相続人ではない。)、父は兄を跡取りにすると言い、全ての遺産を兄に相続させる旨の公正証書遺言を作成していた。遺留分侵害を理由として遺産の4分の1に相当する600万円の請求ができる見込みであり、弁護士に依頼して遺留分侵害額の請求調停を申立てた結果、実際に600万円を得ることができた事案
- 着手金
取得見込額は300万円以上なので、着手金は33万円(税込)となります。 - 報酬金
実際に600万円を取得できたため、報酬金は取得額の15%+税、99万円となります。
弁護士に依頼して遺留分侵害額の請求調停を申立てたことにより、468万円(600万円-(33万円+99万円))の利益を得られた事案になります。