一般的な弁護士費用の考え方

一般的に、弁護士費用は着手金・実費・報酬金の3種類が発生します。

  • 着手金
    案件への着手時にお支払いいただく費用です。
    案件の種類、請求する(又は請求された)金額、予想される弁護士の労力などによって決まり、多くの場合、具体的な金額を委任契約書に記載します。
  • 実 費
    裁判所へ納める印紙代・郵便切手代、弁護士が遠方の裁判所へ出頭する際の交通費、資料を取り寄せるため取り寄せ先へ支払う費用など、案件を処理するため、現実に要する費用です。
    必要に応じて発生するため、その都度、お支払をお願いすることになります。
  • 報酬金
    案件の終了時にお支払いいただく費用です。
    案件の成果、解決に要した弁護士の労力などによって決まります。ご依頼を受ける時点では、具体的な金額を決めることが難しいため、多くの場合、算定方法や見込額を委任契約書に記載します。

交通事故被害の弁護士費用

弁護士特約をご利用の方

原則として、弁護士特約の範囲内でご依頼をお受けするため、ご依頼者様の自己負担はありません。
但し、着手金・報酬金・実費の合計額が300万円を超える高額請求案件(被害者の方が亡くなられた案件、重度の後遺障害が残った案件、など)の場合、現実に損害賠償金が支払われた段階で、その中から弁護士費用のご負担をお願いする場合があります。
なお、弁護士特約は、ご自身が保険契約者となっている場合に限らず、ご家族が契約されている保険等でも利用できる場合があります。そのため、弁護士特約の利用が可能かどうか、保険会社にご確認いただくことをお勧めしております。

弁護士特約をご利用の方以外

弊所が弁護士特約を利用せずに交通事故事件の依頼を受ける場合の標準的な弁護士費用です。
但し、事案の難易・付随する手続の有無・依頼者の経済状況等に応じて調整を行う場合がありますので、具体的な金額は、弁護士に直接ご相談下さい。

  • 着手金
    交渉案件:11万円(税込)
    訴訟案件:22万円(税込)
    請求額の大きさにかかわらず、固定です。交渉から訴訟へ移行する場合、追加着手金11万円(税込)が発生します。
  • 実 費
    交渉案件:原則として、着手金に含みます。訴訟案件:請求額に応じた印紙代・郵便切手代のご負担をお願いしています。
  • 報酬金
    次の金額から着手金(税込)を控除した金額となります。
    経済的利益が300万円未満
     →経済的利益の24%+税
    経済的利益が300万円以上3000万円未満
     →経済的利益の15%+27万円+税
    経済的利益が3000万円以上
     →
    経済的利益の9%+207万円+税
    なお、経済的利益とは、
    ①相手方の保険会社から先に提示がある場合、提示額から増額した金額
    ②相手方の保険会社から先に提示がない場合、現実に得られた金額
    を言います。具体的には下の算定例をご覧下さい。
  • 着手金返金制度
    相手方の保険会社から提示された金額から増額することができなかった場合、報酬金は発生せず、着手金も返金いたします。つまり、弁護士へ依頼したことにより、得られる金額が低くなってしまうことはありません。安心してご依頼下さい。

算定例1

加害者側の保険会社から100万円の提示を受けたが、弁護士が交渉した場合、80万円ほどの増額が見込まれ、実際に80万円の増額(180万円)で和解できた案件

  1. 着手金
    交渉案件なので、着手金は11万円(税込)となります。
  2. 実 費 なし
    交渉による解決のため、発生しません。
  3. 報酬金 14万0800円(税込)
    80万円の増額を得られたので、80万円の24%+税(=21万1200円)から着手金11万円を控除した、10万1200円が報酬金となります。

弁護士に依頼したことにより、58万8800円(80万円-21万1200円)の利益を得られた案件になります。

算定例2

被害者が重度の後遺障害を負った案件で、加害者側の保険会社からは2000万円の提示を受けたが、訴訟を起こせば、1000万円ほどの増額が見込まれ、実際に訴訟を起こした結果、800万円の増額(合計2800万円)で和解できた事案

  1. 着手金
    訴訟案件なので、着手金は22万円(税込)となります。
  2. 実 費 約12万円
    請求額3000万円の訴訟を提起する場合、裁判所に納める印紙代+郵便切手代として、約12万円の「実費」が発生します。
  3. 報酬金
    800万円の増額を得られたので、800万円の15%+27万円+税(=161万7000円)から着手金22万円を控除した、139万7000円が報酬金となります。

弁護士に依頼して訴訟を起こしたことにより、626万3000円(800万円-(161万7000円+12万円))の利益を得られた事案になります。